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新型コロナ自宅療養時の食事提案について

新型コロナにあたる現場の医師、看護師の協力をいただいて資料作成しました

新型コロナ自宅療養時の食事

新型コロナの症状に対しては基本的に対症療法で、元々備わった治癒力に任せる部分が大きいため(その意味では風邪に似ています)、発熱や咳での体力消耗を小さくすることが最も大事かと思います。

→現場からの声
コロナ陽性者で自宅療養中の方々や罹患初期の重症患者を
見ていて思う事があります。
それは、単身世帯が多く食事や水分を体調悪化によりうまく摂取できずに、体力消耗により重症者になるケースが多くあります。

体力の維持、体液の補充としての食事

自宅療養時に加えたい食材

行政が行う食事の配送サービスに加えて、以下にあげる食材などを加えるのを提案
入手先はネットスーパーやスーパー宅配サービスなど療養中でも利用しやすいところから
・甘酒(米麹からのノンアルコールのもの)
・豆乳(牛乳は乳糖不耐性の方には不向きなため)
・お粥(レトルトでもOK)
・味噌(出汁入りタイプなら気軽に味噌汁が作れる)
・黒砂糖、塩昆布、梅干しなど
・麦茶、ハト麦茶、さんぴん茶など(ノンカフェインのお茶たちは、お茶漬けにも使えます)

基本はバランスの良い食事!
特定の食材に頼りすぎない!!

食感と視覚も楽しむ
他の食材を提案する際も、デルタ株まん延に伴い、腹痛・下痢等の消化器症状が出る場合が増えているため、消化の良い食材、水分摂取の助けになる、という点を大事にして選ぶ。

また加えて、今回の症状に「味覚・嗅覚障害」があるのが特徴であるため、味覚や嗅覚を奪われていることで療養中の食事が進まないというのはよく耳にし、それによって体力回復が妨げられ、症状回復に影響する、ということは考えらるため。
・味や香りのバリエーションは人によって感じ方も変わるので多く用意しておく
・食感でカバーできる可能性はどうか
などの工夫も加えていく。

食感と目で見る美味しさと楽しみがある食材や食事の提案

アレンジと繋がりを楽しむ

・身近なフルーツを食べやすい大きさにカットし、ジップロックなどで凍らせる
・フルーツは凍らせる時間と種類によって食感が変わる
・バナナ、桃、リンゴ、ぶどう、みかん、スイカ、メロン、ライチ、梨など
・細かく砕いた煎餅やスナック菓子(ハッピーターンやかっぱえびせん、ポテトチップス)などと冷凍したフルーツを混ぜ合わせバリバリした食感も楽しむ
・マシュマロを凍らせるのも食感が変わりゼラチンが喉の痛みの緩和を助ける
・煮豆や蓮の実、栗などの豆類、種子類をお粥や茶漬けに加える

アレンジや遊び心も楽しみながら、家族や身近な人とLINEなどで共有、SNSなどに投稿してみるなどで、療養中の食事を目で楽しみ、味覚、嗅覚の回復具合も確認できる。

自宅療養時も食で繋がり楽しむ

中医学の知恵を加える

→現場からの声
療養現場の食事は、内容にもよるがコスト重視の内容に思われ
食材からみても「解熱・放熱」の観点はなく「栄養・カロリー・水分」のみの視点で作成された物が多くあります。
中医学(薬膳)の観点から「清熱」「潤肺」などの効能を生かした食材を加えてみる。

消化器症状が良く無い方に⇒鳥の揚げ物などが届けられることがある
提案できる食材はいくつかあるが、療養中の食事に加えやすく、値段がそれほど高価でないものをあげてみる。

「清熱」熱を取り去る
・ミント(薄荷)
・金針菜(スイカズラ)
どちらもお茶や料理に加えていただく
「潤肺」喉の炎症を抑えるのを助ける
・梨(果汁を煮詰めた梨蜜は長期保存可)
・杏仁(粉はお湯で溶かして杏仁茶、豆乳や牛乳、カルピスなど飲み物に溶かして飲める)

今後は
予防/治療・療養/回復後
それぞれの状況と地域の特性にあわせた食材・料理の提案を考えていきたい

動画形式のものはこちらになります。

 

みなさんの現場で利用できたり、料理方法などアレンジできるところがあれば遠慮なくお使いください。
なお、その際には資料は一部抜粋、転載せずにそのままでお使いくださることをお願いします。

もちろん、医療従事者の方はじめ、それぞれの現場での意見、提案などもいただけましたら追記、修正、記載してまいります。

よろしくお願いします。